ドイツポストDHLグループ は、世界有数のロジスティクス企業です。同社は、ファミリー事業を密接に連携させることで、お客様のニーズに応えています。
DHLにとっては、このデジタルワールドにおける卓越性とはどのようなものか、そしてその変化に従業員がどのように適応していくかという点に焦点をあてることが重要となります。世の中が目覚ましいスピードで変化する中、職場においては新しいスキルの習得に対する重要度がさらに高まっています。同社はスキルをビジネスにとっての将来的課題を整合させるためにAIを活用することにしました。
DHLの2025年人材戦略の根幹は、現在のチームにあるスキルを明らかにするとともに、将来に関連する潜在的なスキルを発掘することにあります。この目的に関連する最大の課題は、デスクワークの役割と、荷物の取扱いや配達といった現場での役割の違いをどのようにスキルオントロジーに反映させていけるかという点です。ここで、AIが役に立ちます。
成果
構造的なキャリアパスDHL
は、従業員とキャリアの機会のマッチングだけでなく、将来の役割の計画や必要なスキル開発のための提案を受けるなど、キャリア開発を視野に入れた方法を継続的に提供することを目指しています。
外部の人材採用コストを数百万ドル削減
従業員がDHLでの将来をイメージできるようになったことで離職者が減り、外部採用の必要性が減りました。実際に、同社では離職者を埋めるための新規採用を10%以上削減することで、数百万ドルの経費削減が実現すると見込んでいます。
社内採用担当者の視認性の向上
DHLでは、採用担当者が、応募された職務だけでなく、社内の幅広い人材プールをより効果的に把握できるようになりました。これにより、従業員にとってはポストに空きが出た場合には「手を挙げる」ことができるようになり、また、採用担当者にとっては、積極的な応募がなくてもその職務に合った人材を確認することができます。
人材を惹きつけ、育成するDHL
は、従業員が成長し、それが社内から称賛されることを望んでいます。従業員が異動してくると、チームの管理者はチーム内が落ち着くまでは負担を感じる場合もありますが、長期的に見れば、このような異動によって従業員が様々な経験を積むことで、結果的に生産性向上につながり、組織に成長をもたらします。
目的意識AI
とコーナーストーンを導入することで従業員は、職場における目的意識を持ち、真剣に業務に打ち込めるようになります。目的意識を持てるかどうかは、現代の組織に求められる最も重要な特性の1つです。
スキルギャップの解消
人事の観点から見ると、AIを導入することでDHLはスキルギャップを特定できるようになりました。AIの導入がなければおそらく手遅れになるほどの大きな問題になるまでこのようなギャップに気づくことはないでしょう。これによって同社は将来に向けてより効果的な備えをすることができ、結果として、長期的に見ても、より持続可能性の高い事業となることができます。