日東電工株式会社 研修環境をグローバルで一元化し、優れたUX/UIで学びを促進

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日東電工株式会社 研修環境をグローバルで一元化し、優れたUX/UIで学びを促進

高機能材料メーカーとして、さまざまな分野で新たな用途、製品、需要を創出し続けることで全世界に市場を開拓し、グローバルに躍進を続ける日東電工。人財を最も重要な財産と位置付け、その育成と業務や学びにおけるチャレンジの支援に力を入れる同社で課題となったのが、世界各国の拠点やグループ会社で人財の学びを促進し、グローバルで教育履歴を一元管理して人的情報開示などのための実績把握を速やかに行える環境を整備することでした。同社はCornerstone Learning CSXにより、外部の学習コンテンツサービスと連携しながら本社管理の基礎研修や各組織独自の研修を実施できる学習管理システム(LMS)を整備。優れたUX/UIを備えた全社共通の研修プラットフォーム上で、学びと挑戦が世界規模に加速しようとしています。

  • 主な課題:学びを促進し、多様な人財を育成するためにグローバルで教育履歴の一元管理を行う
  • 導入ソリューション:コーナーストーンLMS
  • 導入時ユーザー数:9,000人(2023年11月時点)
  • 成果:人的資本情報開示のための情報収集が速やかに行えるようになった

LMSは組織文化の改革を支えるプラットフォーム

独自の粘着技術や塗工技術をベースに、エレクトロニクスや自動車、住宅、インフラ、環境、医療など、さまざまな産業界に各種の中間材を提供している日東電工(以下、Nitto)。市場の変化を先取りし、高い技術力を生かした製品でニッチトップ戦略を推し進める同社は、世界各地に生産/販売拠点を構えて海外売上収益比率は8割を超えており、65%を海外従業員が占めるグローバル企業でもあります。

Nittoは2025年に向けた中期経営計画「Nitto for Everyone 2025」の中で、人財/チームの挑戦を加速する組織文化の改革として、多様な人財が活躍できる人事/育成制度の変革、人財のインクルージョン施策の加速、人的資本の可視化などに取り組んでいます。その核となる基盤の一つがLMSだと人財本部戦略企画部企画・育成グループ係長の中野真利江氏は説明します。

「当社には何事においてもチャレンジを楽しむ企業文化があります。それぞれの人財のキャリアや自己研鑽における挑戦を促進する研修プラットフォームとしてLMSの整備と活用を進めています」(中野氏)


(左から)中野氏、児玉氏、鶴田氏

グローバル展開、人的資本の可視化など目的にLMSを整備

NittoがLMSの整備/活用を推進する具体的な目的は大きく3つあります。

一つ目は「教育のグローバル展開」です。これまでNittoにはグローバル共通の研修プラットフォームがなかったことから、各地域やグループ各社が個別に研修を行ってきました。グループの全従業員が受ける安全教育などの基礎研修(NCS:Nitto Cultivation System)も各地域、各社単位で運営しており、本社が内容をアップデートした最新版をタイムリーにグローバル展開できないことも課題でした。

「そこでNittoグローバル共通の研修プラットフォームを用意し、学習コンテンツを全世界にタイムリーに提供していきたいと考えました」(中野氏)

2つ目は「人的資本の可視化」です。企業価値の向上を目指した人的資本情報開示を進めるNittoは、従業員の教育履歴の管理に力を入れています。以前は各地域、各社の教育担当者がExcelで教育履歴を管理していたため、全社でどのような教育がどの程度進んでいるのかを四半期ごとに把握するのに多くの手間と時間を要していました。これをグローバルでタイムリーに把握し、社内外のステークホルダーに開示していくためにも、共通の研修プラットフォームが不可欠でした。

3つ目は「従業員の教育機会の向上」です。Nittoは2022年から試験的に始めたジョブポスティングなど、従業員のエンゲージメントを高める施策を進めています。「教育機会の向上もその一つであり、従業員が日常的かつ気軽に利用できる研修環境や学習コンテンツの提供が必要でした」と中野氏は話します。

他社比較、導入企業の実績からコーナーストーンを採用

これらを目的とするNittoのLMSには、主に次のような要件が求められました。

  • 自発的な学びを促す優れたユーザーエクスペリエンス(UX)とユーザーインタフェース(UI)を備える
  • ユーザーの属性(所属、職種、職位、関心、キャリア目標など)に応じて学習コンテンツを柔軟に提供できる
  • グローバル展開に対応できる(多言語対応、各国法規制への対応、海外拠点へのサポートなど)
  • LMS全体を本社側でガバナンスを保って管理しながら、一部の管理権限を各地域、各社、HR以外の教育担当者に割り当てるなど柔軟に権限設定を行える
  • ユーザーの学習状況について、さまざまなレポーティングが行える
  • 外部のさまざまな学習コンテンツサービスと連携できる

実はNittoでは、海外製のSaaS型人事システムをグローバルで導入しており、当初は同システムのオプションとなるLMS製品の利用を想定していました。しかし、小規模な試験導入を試みたところ、いくつかの重要な要件を満たさないことが判明します。

「各部門やグループ会社で必要とする研修はそれぞれの機能部門の教育担当者が管理しており、LMSではそれらの担当者に一部の管理権限を割り当てる必要があります。しかし、当初想定していたLMS製品ではきめ細かな権限設定が行えず、UX/UIも使いづらかったため、試験導入がうまくいかなかったのです」(中野氏)

これを受けて、人財本部はIT本部の支援の下、同LMS製品をグローバルで導入している日本企業へのヒアリングを実施。「その結果、当社が目指す活用には向いておらず、他社でも展開がうまく進んでいないことがわかりました」と中野氏は明かします。

製品選定をやり直すことを決めたNittoは、同社と同じ人事システムをグローバルで導入する企業が利用しているLMS製品について調査を行い、主要なグローバルソリューションの中でも高いシェアを持ち、日本での採用実績が豊富でNittoの要件も満たした「Cornerstone Learning CSX」を候補に据えます。実際にグローバルで利用している日本企業へのヒアリングを行って確信を得た同社は、2022年12月にコーナーストーンの採用を決めました。


受け放題コンテンツ、スキルマップで活用を促進

Nittoは2023年1月より、まず日本本社を対象にコーナーストーンの導入を開始。「それと並行して、従業員の学びを促進するための施策をいくつか進めました」と人財本部の鶴田恵子氏は説明します。一つは「受け放題コンテンツ」の拡充です。

「皆が日常的にLMSを使いたくなるよう、一般教養系やビジネス系の外部学習コンテンツを充実させ、希望者は一定期間、好きなだけ受講できるようにしました。具体的には、以前から利用していたGLOBIS学び放題に加えて、新たにUdemy Businessを導入しています」(鶴田氏)

また、自己啓発のきっかけがつかめないという従業員に配慮し、「スキルマップ」を作成。これはNittoの各職位で必要となるヒューマンスキルやビジネススキルをまとめたものです。さらに、それぞれのスキルを高められる推奨講座を、既存の研修コンテンツや受け放題コンテンツからリストアップして公開しました。「これが『沢山の学習コンテンツをどう活用すればよいかわからない』という従業員の助けになればと思っています」と鶴田氏は話します。

ユーザー目線の優れたUX/UIでスムーズに浸透

2023年7月より本社約9,000人の従業員でコーナーストーンの利用を開始して数カ月が経つ頃、中野氏はあることに気づきました。ユーザーからの問い合わせが極端に少ないのです。

「システム導入直後は使い方に関して沢山の質問が寄せられ、その対応に追われるのが一般的です。しかし、コーナーストーンはユーザー目線で扱いやすいUX/UIが実現されており、問い合わせがとても少ないのです。これは非常に有り難いことだと思っています」(中野氏)

コーナーストーンでNittoの研修環境を一つのプラットフォームに集約したことで、人的資本情報開示のための情報収集が速やかに行えるようになりました。

「従来は四半期に一度、各教育担当者からExcel形式のデータを集めて手作業で集計していましたが、今後は外部コンテンツも含めて、コーナーストーン上でいつでも最新の受講状況を確認できます。これまで全社で把握できていなかった各地域、各社、各部門主催の研修の状況もわかるようになると期待しています」(中野氏)

Nittoは2024年4月より、コーナーストーンを国内グループ各社や海外拠点に全面展開し、グローバル約2万人で活用を進めていく計画です。また今後、毎年度の実施を計画している新たな全社研修の配信や集合研修の出欠管理などもコーナーストーンで行っていく予定です。

「コーナーストーンにより、Nittoがグローバルで人財の育成と活用を進めるための環境が整いました。今後はこの研修プラットフォームの利用も通じて、世界中の従業員の成長とチャレンジを支えていきます」(中野氏)

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AI搭載のプラットフォームであり、組織が必要としているワークフォース・アジリティ(組織の即応性)に対応するCornerstone Galaxyは、組織がスキルギャップや能力開発の機会を特定し、優秀な人財を引き付けると共にエンゲージメントを高め、現代の組織における多様なニーズに応える多面的な学習体験を提供することを実現します。

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